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綾塚達郎

「イネの収量を増加させる画期的な技術開発に成功~食糧増産と二酸化炭素や肥料の削減に期待~」

[Agriculture]

この一連の発見は、イネの収量増加や肥料の削減など、実利的な貢献につながる可能性がある。しかし、この研究の面白いところはそれだけではない。生物の仕組みに関する基礎研究的な面にも注目したい。


光合成や栄養分の吸収といった植物の基本的な活動は想像以上に複雑なプロセスを踏んでいる。その仕組みの多くは未だ謎に包まれている。今回の研究成果を荒くまとめると、「イネの体の材料がたくさん入ってくるように改良し、その結果収量が増えた」というものだ。一方、実際ここまでシンプルにうまくいくことは少ない。植物の研究において、通常より多くの栄養素を吸収させるのに成功したとしても、その後のプロセスで流れが止まり、結局栄養素を持て余して効果が無かった、といった結果になることが多いのだ。一方、今回の研究では、関連するたくさんの遺伝子もパタパタと働くようになっていた。一部の遺伝子の働きを良くするだけで、植物の体全体が調和的に動いたというのはとても面白い。今後の研究の展開に注目したい。


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