• 綾塚達郎

ゲノム編集食品「シシリアンルージュハイギャバ」が認可されました

[Art & Culinary] [Science & Technology]

ゲノム編集食品「シシリアンルージュハイギャバ」。シシリアンルージュという従来品種のミニトマトにゲノム編集技術を施し、ギャバという物質の生産量を高めた新品種だ。2020年12月11日、厚生労働省および農林水産省の許可を取得し、国内で生産、流通が可能となったゲノム編集食品の第一号となった。ギャバはストレス低減効果や睡眠の質を高める効果が期待されている成分。一般的に出回っている食品の中には、ギャバを多く含むことを売りにしているものがすでに複数見ることができる。

ゲノム編集というと、遺伝子組換えを思い起こす方もいるだろう。しかし、ゲノム編集はそれとは全く別の技術である。ゲノム編集は狙った遺伝子に変化を与える技術として高い精度をもつ。気候変動が激しくなりつつある昨今、スピードがより求められる品種改良に大変有用な技術となりうるだろう。

さらに、今回のニュースで注目するべきは、情報の透明性である。この新品種を作り出したサナテックシード株式会社は積極的に情報提供の場を設けている。さらに、「シシリアンルージュハイギャバ」が店頭にならぶ際は、パッケージにオリジナルのマークをつけ、ゲノム編集食品であることが消費者にわかりやすくなるようする予定だ。

現状では、実際に近所のスーパーなどでお目にかかることはまだできない。流通させるには一定の収穫量が必要だが、まだその収穫量を得られるだけの種が足りないからだ。

私たちの食に新しい可能性をもたらすゲノム編集食品。今後も、開発者や生産者、消費者がコミュニケーションをしっかりとれる体制を維持し、新しい技術のメリットを享受していきたい。